が発売されて1ヶ月経ちました。
お手に取って下さった皆さん、ありがとうございます。
初めての単行本ということで、知りえたことや感じたことなどいろいろありましたので、完成までの道筋と合わせてまとめてみました。
何かしら参考になれば幸いです。
今回、単行本作業としてやったことは主に4つでした。
・表紙イラスト
・おまけ漫画
・販促用イラスト
・本文修正
です。1つずつ見ていきます。
まずは表紙イラスト。
単行本は新しく描き下ろすということだったので、単話版とは違うシチュエーションであすかを描かせて頂きました。
左からイラストのみ、タイトル込み、帯付きです。
漫画の表紙って、キャラが大きくドーン!といるものが一般的なイメージかなと思うのですが、この作品はちょっと違うんじゃないか、というところから背景込みの雰囲気重視な表紙となりました。
タイトル等はデザイナーさんがデザインしてくださいまして、さも最初からそう決まっていたかのような配置、色、バランスで毎回脱帽です。
一気に商品としての価値が上がって見える。うれしい。
お次はおまけ漫画。
各話の間に入るちょっとした4コマや巻末のおまけなどですね。
今回は巻末に短いおまけ漫画を描かせていただきました。
短い話をあまり描いてこなかったので、どう描いたらいいか分からなくてちょっと悩んだ記憶があります。
すごく勉強になった。
各話の間にはグレーの鉛筆画っぽいイラストを入れて貰いました。
箸休めとして眺めてもらえたらいいなと思っています。
販促用イラスト。
これは各書店さんの特典とかですね。
今回はサイン色紙を3枚描かせていただきました。
SHIBUYA TSUTAYAさんをはじめ、各書店さんの貴重なスペースに展示して頂きました。
きょ、恐縮です…。
写真に入れるのを忘れてましたが、線画はガラスペンです。
今回初めて使ってみたんですけど、手に馴染んでとても良い描き心地でした。
色を塗ろうかとも考えましたが、この作品は深みのある色でシンプルに表現した方がらしいなと思いこんな仕上がりになりました。
久々にアナログを触りましたが、デジタルとの違いをがっつり思い出したよ…。
どちらもメリットデメリットがあって甲乙はつけられないのですが、アナログの「自らの命を削って描いている」感は唯一無二だなぁと改めて思いました。
アナログをやることでデジタルにも恩恵があるなと感じたので、今後も定期的に触っていきたいなと思います。
最後は本文修正。
間違っている箇所の修正ですね。
アクセサリーつけ忘れてるとか、英語のスペルが間違ってるとか、線がはみ出してるとか諸々を修正します。
それ以外にも「こうした方がもっと見やすい」「ここはもう少しトーンが濃い方がいいな」「表情をもうちょっと良くしたい」などなど自己満足の世界になりますが、やろうと思えばいくらでもできてしまうのが恐ろしいところ。
私は必要最低限の修正に留めています。
過去はあまり振り返らないスタイルでいく。
一番わかりやすいところで言うと、1話の1p目、主人公初出の絵をまるっと描き直しています。
←修正後 修正前→
修正前の絵も悪くはないのですが、最初の印象付けとして今の絵柄の頭身に合わせた方が良かろうと思い描き直しました。
がっつり修正しとるやないかと思われるかもしれませんが、ここくらいのもので他は細々としたものが多いです。
単話版との間違い探しをしたらけっこう難しいかもしれない。
今回はサイン本も書かせて頂きまして、出版社さんによって違いはあると思いますが、漫画家がやる作業としてはこれで全部です。
あとは担当、デザイナー、印刷所、書店の皆さんのやり取りやチェックがあって単行本が出来上がります。
デザイナーさんはお忙しい中複数のデザインを用意して選ばせてくださいました。
本文修正では修正箇所だけでなくセリフのチェックもしてくださいまして、ドットレベルのゴミを見つけたかと思えば、セリフもより伝わる表現を見つけてくださりで…なんてありがたい存在なんだと感動しました。
皆さんお世話になりました…。
これらのお仕事がお蔵入りになることなく、無事発売され皆さんのもとに届いて良かったです。
書店のポップや試し読み冊子なんかも作って頂いて、あれもタダじゃないですもんね…。
紙の単行本として自分の作品が残ることはないだろうと勝手に思っていたので、とても貴重な経験をさせて頂きました。
以上単行本についてのお話でした。
改めまして、お買い上げいただいた皆さん本当にありがとうございます。
次巻はまだ何も決まっていないのでなんとも言えませんが、続きも頑張って描いていきますので、読みたいな、と思った時にはまたお手に取って頂けたら幸いです。
それでは今後とも、どうぞよしなに。
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「お父さんが早く死にますように。」
単行本→1巻
1巻の続き→7話
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